イラン戦争のグローバルな帰結
―― 対米不信と中国の影響力拡大
2026年8月号
イラン戦争を経て、中東諸国は、イランとイスラエルの脅威を軸に対立する二つの陣営に分かれつつある。一方には、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)を中核とし、アメリカと連携する「アブラハム連合」があり、その対極にはサウジ、トルコ、パキスタンなどのスンニ派の主要国を中核とするイスラム連合が存在する。後者はイランだけでなく、イスラエルも脅威とみなしている。中東における対米不信が高まるなか、戦後の中東でより大きな役割を果たせる立場にあるのが中国だ。特に、貿易、エネルギー、デジタルインフラの分野で、中国と地域諸国との協力が進むだろう。「アメリカはもはや信頼できず、ワシントンへの長期的な依存を減らすことを戦略的必要性」とみなしているのは中東諸国だけではない。ヨーロッパ、アジアでも、この認識が広がりつつある。
