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2026.8.21 Fri
<9月号プレビュー>
プーチンのロシアと欧米
―― モスクワは停戦の可能性をどうみているか
プーチンは「欧米との対立」をロシアの生活を規定する基本原理に据え、すでに「反欧米」はロシアの生活の一部として定着している。いかなる停戦も、この基本原理、国内メカニズムを覆すことはない。それでも、ロシアエリートの多くは、ウクライナでの戦争が戦略的な過ちであることを理解している。(ガブエフ)
ロシア国内での戦争への批判の高まりを警戒するプーチンは、戦闘を続けるよりも、むしろ、停戦、あるいは停戦のような取り繕いの方が好ましいと考えるかもしれない。それでも、彼がウクライナの属国化という戦争目的を放棄することはあり得ない。(キマージュ、ノッテ)
ウクライナ戦争は、激しい消耗戦の果てに前線(紛争ライン)を固定化する妥結で戦闘が終わる可能性が高い。交戦国が疲弊し、状況への絶望を深めれば、膠着状態を前に和平合意の可能性は高まる。最終的に、大国が紛争当事国に妥協を受け入れさせることが多い。(ローズ)
プーチンのロシアと欧米
―― 永遠の戦争メカニズムを断ち切るには
2025年6月号 アレクサンダー・ガブエフ カーネギー国際平和財団 ロシア・ユーラシアセンター ディレクター
プーチンは「欧米との対立」をロシアの生活を規定する基本原理に据え、すでに「反欧米」はロシアの生活の一部として定着している。いかなる停戦も、この基本原理、国内メカニズムを覆すことはない。それでも、ロシアエリートの多くは、ウクライナでの戦争が戦略的な過ちであることを理解している。彼らが、欧米との関係改善をイメージしやすい環境を今から準備しておけば、プーチン後の権力抗争で、彼ら、プラグマティストが勝利する可能性を高め、欧米とロシアが熱い戦争と冷たい戦争を永遠に繰り返す事態を避けられるかもしれない。実際、そうしない限り、欧米との永遠の対立を政治遺産にしようとするプーチンの試みに手を貸すことになる。
プーチンは停戦を武器にする
―― 交渉をめぐるロシアの魂胆
2026年9月号 マイケル・キマージュ、ハンナ・ノッテ
ロシア国内での戦争への批判の高まりを警戒するプーチンは、戦闘を続けるよりも、むしろ、停戦、あるいは停戦のような取り繕いの方が好ましいと考えるかもしれない。それでも、彼がウクライナの属国化という戦争目的を放棄することはあり得ない。ロシアが停戦に応じるとすれば、それは、ウクライナや欧米を分断し、優位を得るための手段になると判断した場合だろう。結局、停戦を利用して時間を稼ぎ、ウクライナ国内の不安定化や欧米間の亀裂拡大を試みるはずだ。プーチンの思惑に根本的な変化がない限り、停戦も戦争の次段階への移行を意味するに過ぎないだろう。
戦いが終わるとき
―― イランとベトナム、ウクライナと朝鮮
2026年7月号 ギデオン・ローズ 米外交問題評議会 シニアフェロー(非常勤)
イラン戦争はベトナム戦争と、ウクライナ戦争は朝鮮戦争と似た構造をもっている。その終わり方も似たものになるだろう。イランは、かつての北ベトナムと同様に頑迷なまでに(交渉に)非協力的で、共に耐え忍ぶ競争に勝つことに賭けている。次に起こりそうなのは、戦闘を停止し、船舶の航行を再開させつつ、その他の多くの争点については曖昧にしたり、解決を先送りしたりする不安定な合意が成立することだ。一方、ウクライナ戦争は、激しい消耗戦の果てに前線(紛争ライン)を固定化する妥結で戦闘が終わる可能性が高い。交戦国が疲弊し、状況への絶望を深めれば、膠着状態を前に和平合意の可能性は高まる。最終的に、大国が紛争当事国に妥協を受け入れさせることが多い。
※この分析は、アメリカで5月20日に、日本語のデジタルマガジンで5月23日に公開されたものです。


