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2026.2.13 Fri
グリーンランドの地政学
―― アメリカ、ロシア、中国
北京は中国の経済・政治・安全保障利益を反映できるように国際システムを改革したいと考えているだけでなく、海底や北極圏の開発、宇宙探査やインターネットを主導することをイメージし、米ドル支配ではない国際金融システムを構築することを望んでいる。(エコノミー)
今後の展開がどうなろうと、北極圏の重要鉱物、海上航路、漁業、天然資源、海底採掘、衛星通信をめぐる大国間の争いが発生するのは避けられない。ロシアと中国に比べて、アメリカは大きく出遅れている。北極圏戦略の欠陥と矛盾を早急に解決する必要がある。(コンリー)
氷が溶け出すにつれて、世界の石油と天然ガス未確認資源の4分の1と膨大な鉱物資源を含む、北極圏の豊かな資源へのアクセスが開かれつつある。夏場に誕生する北極海の航路によって太平洋と大西洋間の距離は数千マイル短くなり、いずれ北極海がグローバルな海洋ルートの拠点になるポテンシャルも生まれている。(ボルガーソン)
中国のニューフロンティア戦略
―― 米中競争の核心
2026年2月号 エリザベス・エコノミー スタンフォード大学フーバー研究所 共同ディレクター(米中・世界プロジェクト)
北京は中国の経済・政治・安全保障利益を反映できるように国際システムを改革したいと考えているだけでなく、海底や北極圏の開発、宇宙探査やインターネットを主導することをイメージし、米ドル支配ではない国際金融システムを構築することを望んでいる。こうした目標を達成するために、北京はこれらの領域にすでに長期にわたって莫大な資源を投入している。もっとも重要なのは、北京がこうした努力を粘り強く続けていることかもしれない。ワシントンは、世界の主要領域で中国がパワーを構築していることの全体像に、ようやく気づき始めたばかりだ。
北極圏のグレートゲーム
―― 米中ロの大国間競争
2025年9月号 ヘザー・A・コンリー 元米国務次官補(ヨーロッパ担当)
トランプは大統領就任後、北極圏における領土獲得の可能性に照準を合わせ、カナダを「51番目の州」と呼び、デンマーク領のグリーンランドについては「いずれにせよ」アメリカが「獲得する」と宣言した。今後の展開がどうなろうと、北極圏の重要鉱物、海上航路、漁業、天然資源、海底採掘、衛星通信をめぐる大国間の争いが発生するのは避けられない。ロシアと中国に比べて、アメリカは大きく出遅れている。北極圏戦略の欠陥と矛盾を早急に解決する必要がある。
北極圏開発ブームに備えよ
2013年7月号 スコット・G・ボルガーソン 北極圏サークル共同設立者
夏場の北極圏から氷がなくなるのはいつなのか。その時期は2075年とも2035年とも、あるいは2020年とさえ言われる。これが現実となった段階で北極圏のエコシステムは劇的に変化する。だが、悪いことばかりではない。氷が溶け出すにつれて、世界の石油と天然ガス未確認資源の4分の1と膨大な鉱物資源を含む、北極圏の豊かな資源へのアクセスが開かれつつある。夏場に誕生する北極海の航路によって太平洋と大西洋間の距離は数千マイル短くなり、いずれ北極海がグローバルな海洋ルートの拠点になるポテンシャルも生まれている。さらに、北極海周辺諸国はこれまでのライバル競争をやめて、協調するようになった。アンカレッジやレイキャビクのような都市はいずれ主要な海洋輸送の拠点、金融センターとして、高緯度におけるシンガポールとドバイのような役割を果たすようになるかもしれない。最大の試金石は、環境と開発のバランスをいかにうまくとるかにある。


