Joey Sussman / Shutterstock.com

2026.5.15 Fri

トランプ外交の本質
―― 国内政治と外交

ベネズエラやグリーンランドのケースは、トランプ政権が国際法を無視していること、そうすることがアメリカにとって都合が良ければ同盟国やパートナーを犠牲にすることも厭わないことを示している。いまや米外交は、非自由主義・民主国家のスタイルへ近づきつつある。(カーペンター)

トランプは米外交を、自分の富を増やし、地位を高め、家族・友人・側近の小さなサークルに利益をもたらすために利用している。外交を支えるインフラを解体して、自分の親族や知人、友人に重要な外交交渉を委ねている。(クーリー、ネクソン)

アメリカパワーを強化する相互依存パターンを破壊するのではなく、維持するのが賢明な政策だ。トランプが、米同盟諸国の信頼を低下させ、帝国的野望を主張し、米国際開発庁を破壊し、国内で法の支配に挑戦し、国連機関から脱退する一方で、それでも中国に対抗できると考えているのなら、彼は失意にまみれることになるだろう。(コヘイン、ナイ)

トランプ外交の本質
―― 国内政治問題と対外路線

2026年5月号 マイケル・カーペンター 国際戦略研究所 上級研究員

いまや国内の政治問題が国際行動に影響を与えることは多く、アメリカも例外ではない。マドゥロを排除することに成功した作戦と同様に、テヘランのアヤトラ・ハメネイを殺害した空爆作戦も、アメリカの国内政治というレンズで捉える必要がある。実際、支持率の低迷や国内のスキャンダルが、手っ取り早い対外戦争へつながっていくことも多い。しかも、ベネズエラやグリーンランドのケースは、トランプ政権が国際法を無視していること、そうすることがアメリカにとって都合が良ければ同盟国やパートナーを犠牲にすることも厭わないことを示している。いまや米外交は、非自由主義・民主国家のスタイルへ近づきつつある。

トランプ政権と泥棒政治
―― 政治腐敗の手段と化した外交

2026年4月号 アレクサンダー・クーリー バーナード・カレッジ 政治学教授 ダニエル・ネクソン ジョージタウン大学 外交学部 教授

トランプは米外交を、自分の富を増やし、地位を高め、家族・友人・側近の小さなサークルに利益をもたらすために利用している。外交を支えるインフラを解体して、自分の親族や知人、友人に重要な外交交渉を委ねている。そこで生まれるのは、主権国家間の拘束力のある二国間合意というより、むしろ個人間の取り決めに近い。合意は意図的に曖昧にされることが多く、一部の要素は公表されるが、他の要素は後日明らかにされるか、あるいは完全に隠蔽される。このやり方が続けば、トランプ外交は、アメリカの立憲主義だけでなく、世界における民主主義の存続そのものを脅かす。

「アメリカの世紀」の終わり
―― ドナルド・トランプとアメリカパワーの終焉

2025年7月号 ロバート・O・コヘイン プリンストン大学名誉教授 ジョセフ・S・ナイ・ジュニア ハーバード大学名誉教授

この80年間にわたって、アメリカは、強制ではなく、他を魅了することでパワーを蓄積してきた。アメリカパワーを強化する相互依存パターンを破壊するのではなく、維持するのが賢明な政策だ。トランプが、米同盟諸国の信頼を低下させ、帝国的野望を主張し、米国際開発庁を破壊し、国内で法の支配に挑戦し、国連機関から脱退する一方で、それでも中国に対抗できると考えているのなら、彼は失意にまみれることになるだろう。アメリカをさらにパワフルにしようとする彼の不安定で見当違いの試みによって、アメリカの支配的優位の時代、かつてヘンリー・ルースが「アメリカの世紀」と命名した時代は無様に終わるのかもしれない。

Current Issues

Focal Points アーカイブ

Focal Points

過去のトップページ特集

Focal Points アーカイブ

最新のSubscribers' Only公開論文

デジタルマガジン

本誌最新号紹介

2026年5月号(2026年5月10日発売)

Contents

  • イランショックとエネルギー安全保障
    国際市場とエネルギー自給の間

    ジェイソン・ボルドフ、ミーガン・L・オサリバン

  • 国家資本主義の時代
    地政学的混乱と政府の経済介入

    ジャミ・ミシック、ピーター・オルザック、セオドア・ブンゼル

  • 強大化するドイツパワーの危うさ
    欧州の分裂と大国間競争リスク

    リアナ・フィックス

  • 核使用リスクと現代の戦争
    ウクライナ戦争の教訓

    レベッカ・リスナー、ジョン・K・ウォーデン

  • トランプ外交の本質
    国内政治問題と対外路線

    マイケル・カーペンター

  • ハンガリーを超えて
    世界の民主化運動が学ぶべき教訓

    ロリーヌ・レーデイ

  • 二つのイスラエル
    宗教化する政治と攻撃的対外路線(2026/3/20)

    エラン・ヤシブ

  • テヘランと二つの戦争
    アメリカとイスラエルの誤算(2026/3/20)

    モハンマド・アヤトッラヒ・タバール

他全10本掲載

Page Top