2026.10.9 Fri
<10月号プレビュー>
同盟関係の未来
―― 脱アメリカか同盟規模の拡大・統合か
今後、中国が世界における優位を確立していくと考えられる。幸い、いまやアジアと欧州の同盟国の脅威認識は一致している。同盟諸国の政策立案者たち、そしてトランプ後のアメリカの指導者たちにとって、同盟の規模(拡大と統合)こそ中国との均衡を図り、今後に備える唯一の道であることが明らかになりつつある。(キャンベル、ドーシ)
アメリカの同盟諸国は、ワシントンが旧秩序の支援や同盟諸国の支援から手を引いていることを、いまも理解していない。ヨーロッパ、日本、韓国は、旧秩序の復活を待つのではなく、アメリカ依存を減らし、柔軟な連携、技術主権、自立した防衛力を組み合わせる生存戦略を築くべきだ。(レナード)
中ロ・北朝鮮・イランという敵対勢力は、防衛産業や技術だけでなく、戦力をめぐる連携を深めている。一方、アメリカと同盟諸国は、防衛力強化を主として国内プロジェクトとして扱っている。だが、現実には、アメリカと同盟国が防衛技術に関して協調することの重要性は高まっている。(カール、ヴェストナー)
中国と米同盟関係の未来
―― 同盟規模の拡大を
2026年10月号 カート・M・キャンベル 元米国務副長官 ラッシュ・ドーシ 米外交問題評議会 シニアフェロー(中国担当)
二期目のトランプ政権の同盟諸国との対立を前に、同盟関係の崩壊を予測する悲観論が内外で広がりをみせている。だが、現在の危機は、むしろ、トランプ大統領のキャラクターに派生している部分が大きいことを認識すべきで、むしろ、世界の現実に目を向けるべきだ。今後、中国が世界における優位を確立していくと考えられる。幸い、いまやアジアと欧州の同盟国の脅威認識は一致している。同盟諸国の政策立案者たち、そしてトランプ後のアメリカの指導者たちにとって、同盟の規模(拡大と統合)こそ中国との均衡を図り、今後に備える唯一の道であることが明らかになりつつある。
「ポストアメリカ」世界の現実
―― 非秩序のなかの生存戦略
2026年10月号 マーク・レナード 欧州外交評議会
米主導の国際秩序はすでに空洞化し、世界は分断、ルール無視、経済・技術上のチョークポイントの武器化が進む「非秩序」の時代に入っている。だが、アメリカの同盟諸国は、ワシントンが旧秩序の支援や同盟諸国の支援から手を引いていることを、いまも理解していない。ヨーロッパ、日本、韓国は、旧秩序の復活を待つのではなく、アメリカ依存を減らし、柔軟な連携、技術主権、自立した防衛力を組み合わせる生存戦略を築くべきだ。各国は旧秩序が消え去ったことを認め、世界は秩序を完全に失った非秩序の状態に陥ると考えられることを認識すべきだ。地政学に対する新たなアプローチを模索する必要がある。
米国と同盟諸国の軍備協調を
―― 国境を越えた防衛イノベーションを
2026年9月号 コリン・H・カール スタンフォード大学 フリーマン・スポグリ国際問題研究所所長 トビアス・ヴェストナー ジュネーブ安全保障政策センター 調査・政策提言部門長
中ロ・北朝鮮・イランという敵対勢力は、防衛産業や技術だけでなく、戦力をめぐる連携を深めている。一方、アメリカと同盟諸国は、防衛力強化を主として国内プロジェクトとして扱っている。だが、現実には、アメリカと同盟国が防衛技術に関して協調することの重要性は高まっている。イラン戦争からも明らかなように、ドローン、AI、自律システム、弾薬などの開発領域で、単独で十分な規模とスピードを得るのは難しいからだ。現在の脅威に対処するには、国内での防衛力強化だけでなく、同盟諸国間の企業、大学、投資家、政府からなるネットワークを利用して、資本、技術的ノウハウ、生産能力、サプライチェーンを集団的に結集していく必要がある。


