Vol.37 ユーロ危機とヨーロッパ経済の未来
Euro Crisis and the Future of European Economy
掲載論文
ギリシャの財政赤字隠蔽問題に端を発する危機は瞬く間に周辺国のソブリン債務危機と化していった。いまやユーロ危機はいくら救済策をとっても火を消せないヨーロッパ全体を覆う銀行危機へと姿を変えつつある。ここで銀行を救済すれば、公的部門の債務はますます肥大化し、今度はフランスを含む、ヨーロッパ主要国がソブリン危機に直面する危険さえある。かたや、緊縮財政への反発からヨーロッパの政治の流れは変わり、すでにマーストリヒトのルールは放棄されている。「ギリシャ後」もユーロは存続できるのか、そしてEUはユーロショックに政治的に持ち堪えることができるのか。世界経済を揺るがすユーロ危機の全貌。
- ユーロ危機とヨーロッパの政治
- グローバル債務危機の本質
- なぜユーロプロジェクトは失敗したか
- ユーロゾーンの再構築を――インソルベンシーと資金不足を区別した危機対策を
- ユーロ危機で揺るがされるヨーロッパ・プロジェクト
- ユーロとEUを救うには――緊縮財政ではなく、ケインズ的刺激策を
- フェーズ1:マーストリヒトの呪縛と緊縮財政路線 Documents: Euro Crisis
- 先進国の財政問題とソブリンリスク(2010/6)――アメリカも日本も潜在的リスクにさらされている
- 金融危機後の「ヨーロッパ」は分裂し、内向きになっていく(2010/11)
- 不透明感漂う日米欧経済(2011/5)
- 欧米の自爆装置と化したグローバル金融システム(2011/9)
- ユーロを救えるのは政治統合だけだ(2011/9)
- 欧州債務危機と米のバランスシートリセッション――ワールド・エコノミック・アップデート(2011/10)
- ユーロゾーン危機を封じ込めるには(2011/11)
- ベルルスコーニ劇場の終わりとイタリアの未来(2011/11)
- マリオ・モンティはイタリアを救えるか(2011/12)
- ヨーロッパの新しいドイツ問題(2011/12)――指導国なきヨーロッパ経済の苦悩
- フェーズ2:ECBの介入とヨーロッパの政治 Documents: Euro Crisis
- 債務減免、自己資本強化、EFSF拡充で危機は収束するか(2011/12)
- ユーロゾーンの将来を左右するヨーロッパの政治――ECBは最後の貸し手になれるか(2011/12)
- ユーロリスクとヨーロッパの政治危機(2012/5)
- ヨーロッパ経済の危機再燃は避けられない――世界経済アップデート(2012/5)
- ギリシャ後のヨーロッパと国際通貨システム Banking Crisis & the Future of Reserve Currency
- ヨーロッパ経済の近未来――警戒すべきはヨーロッパの銀行危機だ
- 国際通貨システムの未来――再現されるのは1930年代か1970年代か