Vol.36 思想の衝突1923-2012
――市場経済民主主義は立ち直れるのか?
The Clash of Ideas
掲載論文
もはや民主主義では問題を解決できなくなったのか。アメリカの政治は機能不全に陥り、日本は危機対応を巡って無力さをさらけ出し、将来の危機に備えることもできずにいる。ヨーロッパはすでに大きな危機のさなかにあり、ヨーロッパ統合そのものが危機にさらされている。かたや、権威主義の中国が台頭している。金融資本主義の落とし子としての金融危機が先進国経済を衰退させ、グローバル化が新興国を台頭させるなか、何が将来を左右することになるのか。誰もが新しい思想とモデルを模索し始めている。
- 第一章 「何かどこかがおかしい」
- 歴史の未来――中間層を支える思想・イデオロギーの構築を
- 漂流する先進民主国家――なぜ日米欧は危機と問題に対応できなくなったか
- リベラルな民主主義の勝利と停滞
- 第二章 共産主義、ファシズムから戦後体制、そして・・・
- レーニンとムッソリーニ(1923年)
- レーニンとは何者だったのか(1924年)
- ヒトラーのドイツ(1933年)
- ナショナリズムと経済生活(1934年)
- 戦後世界の経済課題(1942年)
- アジアのナショナリズムと革命思想(1950年)
- アジアと西洋の社会主義の断絶(1954年)
- 「冷戦の終焉」と旧秩序の再発見(1996年)
- 21世紀は権威主義的資本主義大国の時代になるのか(2007年)
- ポスト・ワシントンコンセンサス(2011年)
- 第三章 停滞する先進民主国家はどこへ向かうのか
- ブロークン・コントラクト――不平等と格差、そしてアメリカンドリームの終焉
- 漂流する日本の政治と日米同盟
- ヨーロッパの新しいドイツ問題――指導国なきヨーロッパ経済の苦悩
- ウォール街デモが示す新しい民主主義の可能性――市民の苦境を無視する政治への反乱
- 紛争か協調か――『文明の衝突』、『歴史の終わり』、『大国政治の悲劇』で21世紀を読み解く