インターネット統治の政治学
―― 誰がインターネットを管理すべきなのか
An Internet Whole and Free
―― Why Washington Was Right to Give Up Control
2017年5月号掲載論文
2016年、オバマ政権が、商務省とインターネットのドメインネームシステム(DNS)を管理するICANNとの長年にわたる契約を期間満了で終了させると、「政府はインターネットの自由を見捨てた」と非難する声が相次いだ。しかし批判派は、アメリカ政府とICANNとの関係が世界で批判されてきたことを見落としている。中ロを含む外国政府は、アメリカはドメインネームシステムの監督役を降りて、なんらかの多国間組織がインターネットを管理するより大きな権限を担うべきだと主張してきた。だが、こうした外国政府の主張の背後には「サイバー主権」を主張して、インターネットを規制しようとする政治上の思惑がある。ICANNとの契約終了は、民間にインターネットの管理権限を委ねることで、国際的批判を封じ、オープンかつグローバル、しかも自由なインターネットを守ることが目的だった。・・・
- ICANNとの契約終了
- インターネットの管理人は誰か
- ICANNの誕生
- マルチステークホルダー型の統治
- なぜ多国間管理が危険なのか
- オバマの決断
- インターネットの自由を守る
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