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パキスタンのトリレンマに出口はあるのか
――部族地域、カシミール、 国内の不安定化にどう対処する

ブルース・O・リーデル ブルッキングス研究所セバン中東研究センター・シニア・フェロー

U.S. Needs to Tread Carefully in Pakistan

Bruce O. Riedel 29年間の米中央情報局(CIA)勤務を経て、現在はブルッキングス研究所セバン中東研究センターのシニア・フェロー。これまでに大統領特別補佐官、国家安全保障会議(NSC)の上級近東部長、近東・南アジア問題担当の国防副次官補などの政府要職を歴任している。

2008年10月号掲載論文

 「(武装勢力が)パキスタンに聖域さえ持っていれば、アフガニスタンを機能不全に追い込める。……勝利はできないにしても、敗れることはない」。現在も、1980年代のソビエトのアフガン占領期も、この戦略的真理は変わらないと指摘する元米中央情報局(CIA)高官のブルース・リーデルは、パキスタンに聖域を持つイスラム過激派を掃討するには、聖域に対する米軍の越境攻撃を試みるのではなく、まず、パキスタンとの関係改善を試み、対米不信の根を取り除いていかなければならないと強調する。
 また、「ノーマルな国境線を画定しないことには、パキスタンにノーマルな国家としての行動を期待するのは無理がある」とみる同氏は、アフガニスタンとの境界線であるデュランド・ライン、インドとの境界線であるカシミールの休戦ラインを国境線として画定するのを助ける必要があると指摘し、パキスタンが不安定な政治情勢と不健全な軍民関係という長年のジレンマにいまも直面していることに配慮した慎重なアプローチと新しいイニシアチブが必要になるとコメントした。聞き手は、バーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

  • 米軍のパキスタンへの越境攻撃の意図は
  • 部族地域問題とデュランド・ライン
  • カシミール問題とインド
  • パキスタンの軍と政府の関係

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