気候変動と生物多様性の二重危機
―― 「プラネタリー政治」の必要性
2021年11月号
われわれが地球という惑星を食い物にしてきたために、人類の生存が危険にさらされている。化石燃料に依存し続け、天然資源を貪欲にむさぼり続けた結果、手に負えない気候変動問題が引き起こされ、死活的に重要なエコシステムが劣化し、地球のバイオスフィアーは破綻しつつある。今こそ、地球をかけがえのない存在と認めて、エコロジカルなリアリズムから、地球環境上の脅威に対処していく国際協調を世界アジェンダの中枢に据えなければならない。新しい国際的なアプローチで、政治と自然界の距離を縮めていく必要がある。必要とされているのは「プラネタリー政治」、地球という惑星を守るための政治だ。