迷走する習近平外交
―― プーチン支持と強権支配の危うさ
2022年4月号
ウクライナに対するプーチンの無謀な行動が立証したように、お世辞を並べるイエスマンに囲まれ、歴史的不満と領土的野心に煽られた独裁的指導者は他を脅かす存在になる。もちろん、習近平はプーチンではないし、中国はロシアではない。それでも、類似点が増えていることを無視するのは賢明ではない。粛清と昇進が何度も繰り返されることで官僚制の体質が形作られ、指導者の壮大なビジョンと同じ方向へ流されていく。官僚たちが反対意見を述べることの無意味さを理解するようになり、暗黙のうちに指導者が期待する路線に追随して調子を合わせるようになるからだ。リーダーは孤立し、意思決定を信頼できるますます少数の顧問に依存するようになる。台湾からウクライナ問題に至るまで、中国の政治体制全体が習近平の指示を仰ぐようになったのは、こうした理由からだ。