水素エネルギーが地球環境を救う?
―― 新エネルギー技術のポテンシャル
2022年11月号
カナダ、チリ、ドイツ、日本を含む、世界の35カ国以上が水素エネルギー戦略を導入し、促進している。クリーンな水素エネルギーは、気候変動に対処していく上で不可欠なだけでなく、貿易や商業面での競争力を強化する大きなチャンスだと考えられているからだ。特に、太陽光や風力、水力、原子力から得たクリーンな電力を使って、水を水素と酸素に分解する「グリーン水素」の製造が大きな注目を集めている。だが、気候変動との闘いにおいてグリーン水素のポテンシャルを最大限に引き出すには、各国がインフラ整備に投資するともに、新しいエネルギー市場が急速に商業化されたときに必ず生じるリスクを緩和していく政策が必要になる。