グローバル経済に挑む国際労働運動
2002年2月号
グローバリゼーションは一握りの人々に繁栄をもたらす一方で、あまりに多くの労働者を追い込んで不安定な生活を強いている。経済システムが正統性を持っているかどうかは、いかに多くの人々にすぐれた生活レベルを提供できるかで判断されるべきであり、この基準から見れば、現状のグローバル経済システムには変革と新ルールの導入が間違いなく必要である。具体的には、労働者の権利を国際的な貿易合意に明文化させるとともに、それを国際的な金融機構の融資の条件にする必要がある。加えて、企業側は経済効率と低賃金の労働力を求めてグローバルな生産ラインを確立させ、国際的提携を進めており、労働組合が国際的連帯を強化する必要性も高まっている。すでにわれわれは、他国の労組だけでなく、環境保護団体、人権擁護団体との連帯を強化しつつある。われわれの取り組みは、グローバル経済のあちこちに壁をつくろうとする保護主義的な試みではない。それはグローバル経済にルールを導入し、労働者と人々の窮状を改善させるための基準をつくろうとする試みなのだ。