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テーマに関する論文

新型インフルエンザへの対策づくりを急げ

2005年8月号

マイケル・T・オスタホルム
米感染症研究対策センター(CIDRAP)所長

H5N1ウイルスの脅威への市民の無関心が、恐怖へと変わってから予防策や管理策を実施しても意味はない。世界で「1億8000万~3億6000万人」が犠牲になる恐れのある新型インフルエンザが猛威を振るいだすのが今夜なのか、1年後なのか、10年後なのかはわからない。だが、その日は間違いなく近づいてきている。新型インフルエンザの大流行そのものを回避することはできないが、その衝撃を緩和することならできる。われわれは歴史的に重大な岐路に立たされており、断固たる決意と目的をもって今行動を起こす必要がある。

中国の経済と貿易の行方

2005年5月号

スピーカー
カーラ・ヒルズ/元米通商代表
シャーリーン・バーシェフスキ/前米通商代表
司会
リオネル・バーバー/フィナンシャル・タイムズU・S・マネージング・エディター

現在でも日本が受け入れている外国投資の規模はポルトガルへの外国からの投資規模と変わらない。外国からの直接投資、そして輸入の受け入れについて、日本はいまも開放的とはいえない。一方、中国は輸入に国内市場を開放している。この点からも中国を保護主義的だと槍玉に挙げるのは難しい。(ヒルズ)

どのような人民元対策であれ、中国は、それによって経済成長が損なわれず、雇用創出のペースが鈍化しないような措置しかとらないだろう。というのも……現在北京は、雇用創出と社会の安定は不可分の関係にあるととらえているからだ。(バーシェフスキ)

邦訳文は、ニューヨークの米外交問題評議会で開かれたコーポレート・プログラムでの世界貿易をテーマとする討論における中国に関する議論の抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

それは、2001年3月29日、米上院の外交委員会でのジョン・ボルトンの国務次官指名承認公聴会での出来事だった。バーバラ・ボクサー上院議員(民主党・カリフォルニア州)は、ボルトンが「国際連合などというものは存在しない」と過去に述べたことを引き合いに出し、この見解は「アメリカで主流の見解から大きくはずれている」とただした。

外交委員たちの厳しい質問への弁明を試みるボルトンに対して、後に民主党大統領候補となるジョン・ケリー上院議員(民主党・マサチューセッツ州)は、過去の発言からみて、あなたのここでの証言は「指名承認を得るための転向、変節ではないか」と迫る。ここで、ボルトンの強力な支持者で、国連批判を展開し、主権至上主義の急先鋒として知られる長老のジェシー・ヘルムズ上院外交委員長(共和党・ノースカロライナ州)が声を上げる。「ジョン、立場を変えてはいけない。彼らは君を陥れようとしている」(注1)。・・・

NPTとイラン核開発問題の本質

2005年3月号

ローレンス・シェインマン/モントレー国際大学教授

「民生目的と称して、外部から必要な技術のすべてを導入して完全な核燃料サイクルを完成し、NPT第十条の条約脱退の権利を行使して、『状況が変わったので、核兵器を生産する』とイランが言い出したらどうするのか」。NPTの欠陥をこう指摘する核不拡散問題の専門家ローレンス・シェインマンは、五月のNPT再検討会議では、このシナリオをめぐって多くの議論が行われると予測する。新型核の開発に関心を持っているアメリカはNPTを順守していないと批判されても仕方がないとコメントする同氏は、非核保有国が条約上の義務を守るように要請するとともに、核保有国も条約上のコミットメントを守らなければならないと強調した。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。邦訳文は英文からの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

イランの核開発を食い止めるには

2005年3月号

ケニス・ポラック/ブルッキングス研究所セバン中東研究センターディレクター
レイ・タキー/米外交問題評議会中東担当シニア・フェロー

核開発を重視するイランの保守派イデオローグと、深刻な状態にある経済の再建の必要性を重視する保守派リアリストの間には大きな亀裂がある。ワシントンは、欧州、日本などの同盟国からの協調を取りつけた上で「核兵器か経済の安定か」の二者択一をテヘランに迫り、リアリストの立場を強化するために、イラン経済を再生させるような大きな見返りか、あるいは、経済を完全に疲弊させるような厳格な経済制裁を準備しておく必要がある。アメリカと同盟諸国は、核開発を阻止するために兵器かバターかをめぐる最後通牒を突きつけるチャンスを手にしている。

北朝鮮、イランへの政権交代策を

2005年2月号

マックス・ブート/米外交問題評議会シニア・フェロー

武装ゲリラ勢力に対抗し、彼らを粉砕する力を持つイラク政府を誕生させることを最重要課題とみるマックス・ブート(米外交問題評議会シニア・フェロー)は、イラク治安部隊の整備と強化を最優先に取り組む必要があると指摘し、仮に治安部隊の整備がうまくいかない場合には、米軍の規模を倍増させるか、あるいは、大幅に削減させることを提言している。 聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

米外交問題評議会インタビュー
ブッシュ就任演説と対テロ戦争

2005年1月号

ジェームズ・リンゼー  米外交問題評議会研究部長

自由を拡大し、圧政を終わらせることを強調したブッシュ大統領の就任演説が内政ではなく外交問題に終始したことは、9・11がもたらした大きな環境の変化を反映しているとジェームズ・リンゼーは指摘する。リンゼーは、今回の就任演説はある種の期待や抱負のようなもので、具体的な戦略を意図したものではないと分析しつつも、就任演説は民主化を求める勢力を勇気づけることには成功したが、アメリカの自由や民主主義に関するダブルスタンダードをこれまでも批判してきたイスラム過激派との戦いでは、大きな問題をつくり出すことになるかもしれないと語った。民主主義や自由を促進すると表明しておきながら、それを抑圧している政権と緊密に協力していると批判されることになるかもしれない、と。
聞き手はバーナード・ガーズマンのコンサルティング・エディター。

米外交問題評議会インタビュー
大災害と感染症の脅威

2005年1月号

ローリー ・ギャレット 米外交問題評議会シニア・フ ェ ロー

津波災害の後には、マラリア、デング熱、デング出血熱、シゲラ、コレラが流行しだすと指摘するローリー・ギャレット米外交問題評議会シニア・フェローは「不衛生な医療器具を用いて医療活動が行われれば、いずれ、B型肝炎、C型肝炎、HIVその他の血液で感染する感染症を拡散・蔓延させることになる」と警鐘を鳴らし、同氏は、災害危機への国際的対応をとりまとめ、救援・支援をめぐる適切な調整を果たすグローバルな組織を設立する必要性を強く主張した。
聞き手はバーナード・ガーズマンのコンサルティング・エディター。

イラクでの選挙と中東の再編

2005年1月号

スティーブ・クック 米外交問題評議会次世代フ ェ ロー

シーア派は人口の多さからみても自分たちが政治権力を握って当然だと考えているし、クルド人は独立を、そしてスンニ派はシーア派の思い通りにされてはたまらないと考えている。さらに、イラクでシーア派が実権を握るようになれば、イラクを越えて湾岸地域の政治再編に大きな衝撃を与えるだろう。

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