1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。

テーマに関する論文

イラクでの選挙と中東の再編

2005年1月号

スティーブ・クック 米外交問題評議会次世代フ ェ ロー

シーア派は人口の多さからみても自分たちが政治権力を握って当然だと考えているし、クルド人は独立を、そしてスンニ派はシーア派の思い通りにされてはたまらないと考えている。さらに、イラクでシーア派が実権を握るようになれば、イラクを越えて湾岸地域の政治再編に大きな衝撃を与えるだろう。

中国をめぐる米欧対立の再燃か?

2005年1月号

ウォルター・ラッセル・ミード  米外交問題評議会シニア・フ ェ ロー

中東問題に次いで、中国との関係をいかに管理していくかがアメリカのグローバルなアジェンダの一つであると指摘するウォルター・ラッセル・ミード米外交問題評議会シニア・フェローは、独仏が対中武器禁輸措置の解除を模索しているのは、ヨーロッパがキャッシュ欲しさに、アメリカの死活的利益を脅かすような行動をとろうとしていることを意味すると批判し、このような状態にある米欧関係をどの程度パートナーシップと呼べるのか疑問に思うと語った。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。邦訳文は英文からの抜粋・要約。全文英文はwww.cfr.orgからアクセスできる。

大国化する中国にどう向き合うか

2005年1月号

エリザベス・エコノミー  米外交問題評議会シニア・フェロー

もはや国際社会に関与していくのにアメリカの助けを必要としないどころか、アメリカの代替策となり得る新しい理念と影響力の担い手になる可能性のある中国に、ブッシュ大統領は直面していくことになる。・・・中国を単に米中の二国間関係の枠組みだけでとらえるのではなく、ワシントンは広範で一貫性のあるアジア政策を形成し、その重要な要素の一つとして中国をとらえるようにしなければならない。

CFRタスクフォース・リポート
イランへの選択的関与を

2004年11月号

◎スピーカー
ロバート・ゲーツ/ジョージ・H・W・ブッシュ政権CIA長官
ズビグニュー・ブレジンスキー/カーター政権国家安全保障問題担当大統領補佐官
スザンヌ・マロニー/プロジェクト・ディレクター
◎司会
リー・フェインシュタイン/米外交問題評議会シニア・フェロー

ロバート・ゲーツは、2006年12月上旬に提言を発表したイラク研究グループ(ISG)のメンバーだっただけでなく、2004年に米外交問題評議会(CFR)がまとめたイラン問題タスクフォースの共同議長も務めていた。現在、ブッシュ政権は、内外の政策提言を検証しつつ、イラク政策見直しを行っている。ISGはイラク問題を管理していくための国際会議の開催を提言し、リチャード・ホルブルック元国連大使も、最近のインタビューで、イラク問題を論じるのに、イラン、シリア抜きでは意味がないと発言している。核開発を続けているとしても、イラクの安定化にはイランの協力が欠かせないとすれば、かつてイランへの関与を説いたゲーツ新国防長官はどのようなイラク・イランへの政策スキームを考えているのか。本文は、イラン問題に関するCFRタスクフォースが2004年夏に発表したリポートに関する討論。

「中国経済の奇跡」という虚構

2004年9月号

ジョージ・ギルボーイ/MIT国際研究センター研究員

中国をアジアにおける新たな技術・経済「大国」とみなすよりも、普通の新興経済国家とみなすほうが適切である。中国の産業の多くは国有企業と「支配的な影響力を確立しつつある外資系企業」によって構成されており、中国の民間企業はいまも国有企業、外資系企業と競争していく力を確立できていない。

近代化を成し遂げる最終段階になって、産業の分断状況と権威主義的支配という重荷がのしかかってきているというのが中国の現実であり、政治改革を断行しないことには、さらなる発展を阻む閉塞的な中国のビジネス文化を変えていくことはできない。

アフガニスタン ――軍閥という悪夢

2004年8月号

キャシー・ギャノン/AP通信アフガニスタン・パキスタン支局長

アメリカはアフガニスタンの北部同盟と手を組んで、アルカイダとタリバーンの掃討作戦に乗り出したが、この新しい盟友のなかには、タリバーンが権力の座に就く前にアフガニスタンに未曽有の破壊をもたらした当事者たちが紛れ込んでいた。

北部同盟のムジャヒディンの多くは、タリバーンと比べてさえ遜色ないイスラム原理主義者たちだ。アメリカは北部同盟に武器、資金、さらには名声までも与えて彼らを増長させ、その結果、そもそも脆弱なカルザイの権力基盤がますます損なわれている。

クラシック・セレクション
アフガニスタンという帝国の墓場

2004年8月

ミルトン・ベアーデン  元駐アフガニスタンCIA作戦部長

パキスタンの荒野の西端、曲がりくねったカイバル峠の最後の前哨地点であるミシュニ・ポイントは、トーカムゲートを見下ろす軍事的要所だ。ここは一見(パキスタンと)アフガニスタンとの秩序だった国境のようにも見えるが、じつはそうではない。この地域を警備するのは、灰色のサルワール・カミーズ(伝統的な緩めのチュニックズボン)をはき黒色のベレー帽をかぶった伝説的な「カイバル・ライフルズ」たち。十九世紀以降、当初は英領インドのために、後にはパキスタンのために、民兵組織「カイバル・ライフルズ」の少佐が人影もまばらなこのアフガニスタン国境の警備の指揮に当たってきた。ミシュニ・ポイントは、南・中央アジアの支配、あるいは、南・中央アジアからの侵略のルートとしてもっとも頻繁に利用された要所である。だが、ここを通過してアフガニスタンへと兵を進めた勢力のすべては、手に負えないアフガニスタン部族との問題に遭遇することになった。

キッシンジャーとサマーズが描く米欧関係の未来像

2004年5月号

タスクフォース共同議長 ヘンリー・キッシンジャー キッシンジャー・アソシエーツ会長
ローレンス・サマーズ ハーバード大学総長 プロジェクト・ディレクター
チャールズ・カプチャン 米外交問題評議会シニア・フェロー

米欧関係は、これまでになく緊張した局面にある。ヨーロッパ人の多くは、アメリカ人はヨーロッパに悪意をもっていると考え、一方アメリカ人の多くはヨーロッパ人の行動に反発し、ヨーロッパ側の脅威認識を的はずれだと切り捨てる。ヨーロッパでは、アメリカというハイパー・パワーを封じ込めるべきだという議論さえある。イラク戦争開始直後の二〇〇三年三月、米外交問題評議会は、キッシンジャー元米国務長官、サマーズ元米財務長官を共同議長に迎え、新しい局面を迎えている米欧関係に関するタスクフォースを組織した。邦訳文は、二〇〇四年三月に公表されたリポートに関するプレス・ブリーフィングからの抜粋・要約。リポート本文、プレス・ブリーフィングの全文(ともに英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

兵器拡散を「阻止する義務」と国家主権
――事後対応から予防的対応へ

2004年2月号

リー・フェインシュタイン/米外交問題評議会シニア・フェロー
アン・マリー・スローター/米国際法学会会長

北朝鮮の核開発のケースからも明らかなように、既存の核不拡散レジームや国家主権を重視する二十世紀型の国際法では、大量破壊兵器(WMD)開発を固く決意した国が兵器を獲得するのを阻止できない。
二十一世紀のグローバル社会の平和と安全を維持するには、状況対応型ではなく、将来を見据えた予防的行動をとる必要がある。人々を人道的悲劇から「保護する責任」同様に、安全保障分野でのWMD拡散を「阻止する義務」という概念を確立する必要がある。

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