CFRインタビュー
地域外交を展開しだした
サウジの思惑は何か
2007年3月号
中東におけるイランの影響力拡大を警戒するサウジアラビアは、スンニ派国家との連帯を強めつつも、テヘランと交渉できる領域は交渉して、なんとかイランの影響力の拡大を枠にはめたいと考えている。この観点からレバノンやパレスチナでの影響力拡大を模索するサウジの試みは、それなりに成功しつつある。サウジ・中東政治の専門家グレゴリー・ゴースは、レバノン、パレスチナでの各勢力間の仲介役を担うことで、イランの影響力を抑え込もうとしたサウジは、いまや「パレスチナ新政権のゴッドファーザー」となったと言う。一方、イラク情勢をめぐって「サウジはジレンマに直面している」とみる同氏は、「彼らはイラクでシーア派とイランの影響力が高まっていることを警戒しているが、主要な安全保障パートナーであるアメリカとの関係を損なうことを恐れて、イラクのスンニ派を積極的に支援しているわけではない」と語った。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。