北京オリンピックと政治
―― 中国は世界の懸念に耳を傾けていることを示せ
2008年5月号
中国は、社会マナーキャンペーンを実施するなど、世界からよいイメージを持ってもらおうと、多くのことを試みてきたが、ダルフール紛争が起きているスーダンから大量の石油を輸入したり、チベットで騒乱を弾圧したりしたことが、これほど世界の反中国感情を掻き立てることになるとは考えていなかったようだ。
スーダンとチベットが非常に微妙で、重要な問題であること、人道性に関わる問題であることをいまや理解していると中国はアピールすべきだ。世界の意見に耳をかたむけ、状況の改善に努めていくことを示すためのシンボリックな行動をとる必要がある。
オリンピックとはホスト国の問題を問うことが目的ではない。世界の優れた運動選手が平和の祭典のために集まり、各国が競い合いつつも、協調できることを、スポーツを通じて広く世界の人々に示すことにある。