イノベーションを推進するために国は何をすべきか。「余計な口出しをしないことだ」と考えられてきた。この見方は広く受け入れられているが、ひどく間違っている。現実にはイノベーションを通じて経済成長を遂げている国は、歴史的に政府が企業のパートナー役、それも多くの場合企業が嫌がるリスクを進んで引き受ける大胆なパートナーの役目を果たしてきた。むしろ、技術革新の方向性を見極めて、政府がその領域に投資できる仕組みを形作るべきだ。公的投資に関するこれまでの短絡的考え方を放棄し、政府と民間を分けて考えるのをやめるべきだろう。イスラエルやフィンランドのように、国がベンチャーキャピタルのように、融資先企業の株式を保有することもできる。政府は、イノベーションを推進する未来志向の政府機関を設立し、これを、国内における創造性、応用、実験の拠点とすべきだろう。・・・