新エネルギー安保を構築せよ
――現実に即した新パラダイムを
Ensuring Energy Security
2006年3月号掲載論文
先進国ではエネルギー安保とは十分な供給を妥当な価格で確保することと考えられているが、産油国、途上国にとっては別の意味合いをもつ。需要ショックを経験しているいまや、供給ショック、先進国の立場だけを前提とする現在の安保システムでは状況に対応できない。需要の高まりだけでなく、テロの脅威、産油国の政治的混乱、紛争、石油シーレーンでの海賊行為という問題も、エネルギー安保の脆弱性を高めている。中国とインドを先進国のエネルギー安保システムに参加させ、世界のすべてのサプライチェーンとインフラを守り、危機に際しては規制を柔軟に緩和し、国際情勢を十分に視野に入れた新たな安全保障構想を構築する必要がある。
- 多様化するエネルギー安保の概念
- 供給ショックから需要ショックへ
- エネルギー安保の新枠組みを
- 中国、インドをシステムに取り込め
- エネルギー安保の柔軟性を高めるには
- エネルギー資源と政治
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