
(世界共通の)法人税率を「最低でも」15%以上とすることが7月のG20財務相・中央銀行総裁会議で大枠合意された。多国籍企業がどこかの国で15%を下回る税率での負担しかしていない場合、その企業の本社がある国の政府は最低税率に達するまで上乗せして課税できる。これによって、今後、タックスヘイブンの出番はなくなり、「底辺への競争」も回避されるかもしれない。だが、米議会共和党はこの合意に「反競争的で反アメリカ的、しかも有害だ」と反発し、アイルランドやルクセンブルグなどのタックスヘイブンも合意を嫌悪している。だが、流れを止めるのはほぼ不可能だろう。多国籍企業は、あまりにも長い間、あまりにも少ない支出で他の人々が負担する公共財にただ乗りしてきた。いずれにしても今後数年のうちに、多国籍企業はより多くの公共財への貢献をすることになるだろう。