経済改革を阻むアジアの社会環境
2001年4月号
アジア企業が欧米流の改革を断行していないとすれば、それは欧米の改革を理解していないからではなく、単に彼らが置かれている状況下で改革を行うことが意味をなさないからだ。欧米の批評家たちは、アジアの企業が、この地域の社会、制度面での特異性に合理的に対応してきたことを見落としている。こうしたやり方が過去における成長を呼び込み、今でも、短期的な成長の基盤を提供している可能性がある。 だが、資金を調達できない状況が続けば、アジア企業も資本市場にアクセスするために自己変革を余儀なくされる。グローバル経済にむけた自己変革に成功した企業が収益と生産性の伸びを示すことこそ、改革の妥当性を示す根拠となり、改革を促進する刺激となるだろう。