vitma / Shutterstock

グローバル金融を蝕むタックスヘイブン
―― 犯罪と格差の象徴を粉砕するには

ニコラス・シャクソン タックス・ジャスティス・ネットワーク スタッフライター

How to Crack Down on Tax Havens: Start With the Banks

Nicholas Shaxson
タックス・ジャスティス・ネットワーク スタッフライター。著書にTreasure Islands: Uncovering the Damage of Offshore Banking and Tax Heavensがある。

2018年6月号掲載論文

犯罪組織や途上国の独裁者だけでなく、超富裕層も多国籍企業も「自分にとって好ましくないルールを回避するために」資金や資産を「オフショア」と呼ばれる「他のどこか」に移動させている。好ましくないルールとは「税法、情報開示請求、刑法、あるいは金融規制」だ。「他のどこか」であるオフショアでの取引はエキゾチックなどこかではなく、世界経済の中枢近くで行われている。タックスヘイブンは租税回避を容易にし、法の支配を弱め、組織犯罪の温床を作り出す。格差をさらに拡大させてポピュリストの反動を助長し、市場経済を腐敗させる。すでにパナマ文書とパラダイス文書によって、「オフショアシステムはグローバル経済のガンである」ことが明らかにされている。強大な力で保護されているこの世界最大の利権構造に切り込むのは容易ではない。犯罪と格差に対する民衆の怒りを動員する政治家の政治的意思が必要になる。

  • 「大きすぎてつぶせず、処罰できない」
  • 租税回避地の実態
  • 先進諸国のタックスヘイブン
  • 必ずしも合法的ではない
  • 対策はあるか
  • トランプの対策

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2018 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top