christianthiel.net / Shutterstock.com

アメリカ社会の分裂と解体
―― 唐突な国家破綻を回避するには

ダロン・アセモグル マサチューセッツ工科大学 教授(政治経済学)

America’s Democratic Unraveling Countries Fail the Same Way Business Do. Gradually and Then Sudden

Daron Acemoglu マサチューセッツ工科大学教授(政治経済学)。最近の著書(共著)に The Narrow Corridor: States, Societies, and the Fate of Liberty, with James A. Robinson. Penguin Press. 『自由の命運――国家、社会、そして狭い回廊』、櫻井祐子訳、早川書房、2020年がある。

2020年7月号掲載論文

白人警察官がアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドを(首を足で押さえつけて)残酷に殺害した事件は、大規模な抗議行動を誘発した。かつて白人至上主義者を「とてもよい人々=very fine people」と呼んだ指導者が、この危機に米大統領として建設的な発言ができるはずはなかった。しかし、多くのアメリカの都市で起きた暴動に対するトランプの反応は、彼の(でたらめな)基準からみても衝撃的だ。デモ参加者を悪者とみなして催涙ガスの使用を促し、デモ対策として国内で軍を配備するための1807年の反乱法を発動することさえ示唆した。トランプが選挙に敗れ、素直にホワイトハウスを去ったとしても、新政権が、トランプをかつてホワイトハウスに送り込んだアメリカ社会の構造的問題に取り組まない限り、うまく修正できないダメージに直面する。(アメリカの制度に対する市民の)信頼を取り戻すには、次の政権は風土的病的な広がりをみせる人種差別と格差に対処していく必要がある。

  • 常軌を逸した指導者
  • 緩やかな衰退と突然の崩壊
  • 制度崩壊はくい止められるのか

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2020 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top