anasalhajj / Shutterstock.com

中東における全面戦争のリスク
―― 何が起きても不思議はない

ロバート・マレー 国際危機グループ(ICG) プレジデント

The Unwanted Wars Why the Middle East Is More Combustible Than Ever?

Robert Malley アメリカの弁護士、政治学者、社会学者で、紛争解決の専門家。国際危機グループ(ICG)の会長。外交問題評議会フェロー、国家安全保障会議(クリントン政権)、オバマ政権の大統領特別補佐官、ホワイトハウス中東調整官、対イスラム国上級顧問などを経て現職。

2020年1月号掲載論文

中東のいかなる地域における衝突も中東全体を紛争に巻き込む引き金になる恐れがある。一つの危機をどうにか封じ込めても、それが無駄な努力になる危険が高まっているのはこのためだ。しかも、国家構造が弱く、非国家アクターが大きな力をもち、数多くの大きな変化が同時多発的に進行している。イスラエルと敵対勢力、イランとサウジ、そしてスンニ派の内部分裂が存在し、これらが交差するだけでなく、ローカルな対立と絡み合っている。「サウジに味方をすることは、(イエメンの)フーシに反対するということであり、それはイランを敵に回すことを意味する」。こうしたリンケージが入り乱れている。ワシントンが中東から撤退するという戦略的選択をしようがしまいが、結局、アメリカはほぼ確実に紛争に巻き込まれていく。

  • 衝突の国際紛争化
  • 対立の地域的、国際的連鎖
  • 傀儡と独立プレイヤーの間
  • 多層的脅威
  • 二つの事例
  • 漂流するワシントン
  • 今何が問われているか

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2020 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top