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ポピュリズム独裁の台頭と末路
―― 独裁政権の基盤が脆弱な理由

ヤシャ・モンク
ジョンズ・ホプキンス大学 准教授(国際関係)

The Dictators’ Last Stand Why the New Autocrats Are Weaker Than They Look

Yascha Mounk ジョンズ・ホプキンス大学准教授(国際関係研究)。著書にThe People vs. Democracy: Why Our Freedom Is in Danger and How to Save Itなどがある。フォーリン・アフェアーズでは、「欧米経済の衰退と民主的世紀の終わり―― 拡大する「権威主義的民主主義」の富とパワー」(2018年6月号)、「民主的安定という かつてない時代の終わり―― 非自由主義的代替モデルとトランプの台頭」(2017年2月)、「欧米の政治危機とポピュリズムの台頭―― 生活レベルの停滞と国家アンデンティティ危機」(2014年10月)などを発表している。

2019年11月号掲載論文

ポピュリスト独裁制が台頭しているのは間違いないが、その政治的正統性を維持できるか(つまり、民衆がポピュリストの独裁者を支持し続けるかどうか)は、「民衆の立場を代弁している」という幻想を維持していく指導者の能力に左右される。皮肉にも、指導者がより大きな権力を掌握するにつれて、民衆の立場を代弁しているという取り繕いには説得力がなくなり、これによって、ポピュリストの正統性に悪循環が生まれる。支持率が低下すると、権力を維持するためにより多くの抑圧策を行使しなければならなくなる。抑圧策を強化すれば、統治を正統化するストーリーも説得力を失い、民衆の支持はさらに低下する。この10年が民主派にとって気が滅入るほどに憂鬱な時代だったとすれば、次の10年が独裁者にとって驚くほどタフな時代になる可能性は十分にある。

  • ポピュリストの時代
  • エルドアンのジレンマ
  • 権威主義的未来
  • 果たされぬ約束
  • 悪循環はいかに生まれるか
  • ポピュリスト政権

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