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プーチンとロシア帝国
―― なぜ帝国的独裁者を目指すのか

スーザン・B・グラッサー ニューヨーカー誌 スタッフライター

Putin the Great Russia’s Imperial Impostor

Susan B. Glasser アメリカのジャーナリスト。ニューヨーカー誌スタッフライターで、ポリティコのエディター。フォーリン・ポリシー誌の編集長、ワシントン・ポストのモスクワ共同支局長などを経て現職。

2019年10月号掲載論文

青年期のプーチンが信じたのは、学校で強制されるマルクス・レーニンのイデオロギーではなかった。それは、英雄的な超大国のイメージ、廃れてはいても依然として野心を捨てていないホームタウン、サンクトペテルブルクの帝国的な壮大さだった。力こそが彼の信じるドグマであり、幼少期に暗記させられた「労働者の英雄主義」よりも、皇帝たちのモットーだったロシアの「正統性、独裁制、民族性」の方が、プーチンにはなじみがよかった。若手のKGBエージェントだった当時から、そうした帝国思考をもっていたとすれば、その多くが「永続的な不安」によって規定されている長期支配のパラドックスに直面しているいまや、彼の帝国への思いと志向はますます大きくなっているはずだ。

  • プーチンの心の帝国
  • ロシアの生き残り
  • ドレスデンからクレムリンへ
  • プーチンに対する誤解

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