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一帯一路が作り出した混乱
―― 誰も分からない「世紀のプロジェクト」の実像

ユェン・ユェン・アン ミシガン大学准教授(政治学)

Demystifying Belt and Road
The Struggle to Define China’s Project of the Century

Yuen Yuen Ang ミシガン大学准教授(政治学)。これまで「権威主義国家の中国的特質―― 中国流政治改革の教訓は何か」(2018年6月号)、「中国モデルとは何か―― 権威主義による繁栄という幻想」(2018年8月号)をフォーリン・アフェアーズで発表している。

2019年7月号掲載論文

一帯一路(BRI)はうまく進展せず、現地での反発に遭遇している。一部の専門家が言うように、この構想は莫大なローンを相手国に抱え込ませ、中国の言いなりにならざるを得ない状況に陥れる「借金漬け外交」のツール、「略奪的融資」なのか。問題は、北京を含めて、BRIが何であるかを分かっているものが誰もいないことだ。中国政府が構想の定義を示したことは一度もなく、認可されたBRIの参加国リストを発表したこともない。このために民間の企業や投資家がこの曖昧な状況につけ込み、自らのプロジェクトを促進するためにBRIを自称し、これによって混乱が作り出され、反中感情が高まっている部分がある。中国内の機を見るに敏な日和見主義者たちが、この構想を自己顕示欲や立身出世のために利用し、それがグローバルな帰結を引き起こしている。・・・

  • 世紀のプロジェクト
  • BRIを理解する
  • 中国流政策遂行
  • 今後どうするか

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