トランプの撤退宣言とシリアの現実
―― 介入目的を下方修正するしかない
Hard Truth in Syria
America Can’t Do More With Less, and It Shouldn’t Try
2019年6月号掲載論文
2018年12月、トルコのエルドアン大統領との電話会談後、トランプ米大統領はシリアからの米軍撤退を命じるという驚くべき決定を下し、アメリカのシリア戦略を根底から覆した。現在の課題は、次に何が起きるか、そして今後数カ月間で現地の米軍プレゼンスが削減されていくとしても、シリアにおける利益を守るために何ができるかを特定することだ。バッシャール・アサドが退陣することも、イランがシリアからいなくなることもあり得ないし、トルコは厄介なプレイヤーのままだろう。一方で現在のシリアにおける主要なパワーブローカーがロシアであることをワシントンは認識しなければならない。幸い、米ロの利益には重なり合う部分がある。ともにシリアの領土保全を望み、イスラム国勢力やアルカイダの聖域を誕生させてはならないと考え、イスラエルとの緊密な関係をもっている。・・・
- 驚くべき決定
- イスラム国勢力の打倒
- 三つのゾーン
- ロシアとの交渉
- イランを封じ込める
- トルコとの関係
- アラブ諸国の立場
- 厳然たる真実
- 目標の下方修正を
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