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米外交の再生に向けて
―― 21世紀の課題に備えるには

ウィリアム・バーンズ 元米国務副長官

The Lost Art of American Diplomacy
Can the State Department Be Saved?

William J. Burns カーネギー国際平和財団理事長。元米国務副長官(2011―14)。近著にThe Back Channel: A Memoir of American Diplomacy and the Case for Its Renewal (Random House, 2019)がある。このエッセーは同書からの抜粋。

2019年5月号掲載論文

アメリカの外交インフラのなかで混乱が生じているし、これが何を引き起こすかはほとんど検証されていない。全般的に捉えると、トランプのアプローチはたんなる衝動ではなく、ホッブス的な世界観に基づいており、戦略には程遠い。この2年で、トランプ政権はアメリカの影響力を低下させ、その理念の力を空洞化させたばかりか、アメリカの世界における役割についての国内の分断をさらに深刻にした。最近における(トランプによる)後方撹乱は言うまでもなく、米外交をここ数十年苦しめてきた予算不足、過剰展開、そして度重なるダメージを覆すには1世代はかかる。求められているのは、残存するアメリカの支配的優位という歴史的な機会を利用して、新しい現実を反映するように国際秩序を刷新していくことだ。そのためには、外交という失われた資源を再生し、取り戻す必要がある。

  • 外交の再生を
  • もう一つの時代
  • 冷戦後の漂流
  • トランプと外交インフラの解体
  • 外交インフラを改革するには
  • 機会を生かす

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