リベラルな秩序・第4幕へ向けて
―― アメリカと国際主義の伝統
The Fourth Founding
The United States and the Liberal Order
2019年2月号掲載論文
冷戦後、しばらくすると、欧米社会の多くの人が、秩序は自分にプラスに作用していないと反発し、「私腹を肥やすことに熱心なだけで、機能不全に陥っているエスタブリッシュメント」に舵取りを委ねる理由はないと考えるようになった。そこに協調よりも競争を、自由貿易よりも保護主義を、民主主義よりも権威主義を好ましいと考えるトランプが登場する。それでも、ウィルソンからFDR・トルーマン、そしてブッシュ・クリントンに受け継がれてきたリベラルな秩序は動いている。「自発的で、ルールに支配される国際協調が相互利益をもたらす可能性」についての認識は依然として存在する。秩序の第4局面を切り開くのは容易ではないが、そうできるし、問われているものが非常に大きいだけに、そうしなければならない。重要なのは、支配的影響力をもつ世界の大国が、勝利を目指すのではなく、世界を主導することに向けて誠実にコミットすることだ。
- ホッブスからロックの世界へ
- 国際秩序の改革と進化
- リベラルな秩序の誕生
- 第二次世界大戦後の構想
- 冷戦戦略の本質
- 「冷戦後」へ
- 安定から不安定化へ
- 相互依存と協調への回帰
- 米中関係はどうなる
- 国内秩序と国際秩序の再建
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