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北朝鮮非核化の失敗と予想外の安定
―― 非核化という虚構がもたらす機会と脅威

ジョシュア・シフリンソン ボストン大学准教授(国際関係論)

Learning to Love Kim’s Bomb
The Upside of a Nuclear-Armed North Korea

Joshua Shifrinson ボストン大学准教授(国際関係論)。最近の著書にRising Titans, Falling Giants: How Great Powers Exploit Power Shiftsがある。

2018年12月号掲載論文

皮肉にも、アメリカが真の非核化合意を実現できなかったがゆえに、韓国、北朝鮮、中国、アメリカ、日本がいずれも現状を受け入れられるような北東アジアの秩序が確立されるかもしれない。北朝鮮が核武装に成功した結果、北東アジアの関係諸国間のパワーと利益の棲み分けが進んでいる。北朝鮮体制の存続は事実上保証されている。アメリカは、引き受けられるリスクからみて、応分の影響力を確保し、中国もこれまでのように地域紛争に引きずり込まれ、同盟国を失うことを心配する必要がなくなった。偶発的で予想外かもしれないが、関係諸国にとって、これはもっとも問題が少ない安全保障構造かもしれない。

  • 非核化という便利な虚構
  • ニューノーマル
  • 敗者はいない
  • 現状を現実的にみれば

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