TonelloPhotography / Shutterstock.com

新アラブ秩序を規定する恐れと野望
―― 安全保障のジレンマに支配された中東

マーク・リンチ ジョージ・ワシントン大学教授(政治学)

The New Arab Order
Power and Violence in Today’s Middle East

Marc Lynch
アメリカの政治学者で中東専門家。ジョージ・ワシントン大学教授(政治学)で、カーネギー国際平和財団のシニアフェロー。最近の著作にThe New Arab Wars: Uprisings and Anarchy in the Middle East.がある。

2018年10月号掲載論文

アラブの春の余波のなか、中東は大きく変化している。カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)という豊かな湾岸諸国が繁栄を維持する一方で、エジプト、イラク、シリアという伝統的な地域大国はいまや国家としてほとんど機能していない。リビアを含む破綻国家、そして国家基盤が揺らいで弱体化した国も増えている。いまやほぼすべてのアラブ国家は「恐れ」と「野望」をもっている。国内での民衆蜂起、イランパワーの拡大、アメリカの中東からのディスエンゲージメント(で引き起こされる事態)に対する「恐れ」をもつ一方で、弱体化した国と国際的な混乱につけ込みたいという各国の「野望」が、破壊的な紛争への関与へと走らせ、地域全体をカオスに巻き込みかねない状況にある。

  • 恐れと野望が生み出す
  • 新しい無秩序
  • 変化するバランス
  • 中東のパワーゲームと介入
  • 安全保障のジレンマ
  • アメリカの覇権の終わり

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2018 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top