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色あせた対米投資の魅力
―― 流れはポストアメリカのグローバル経済へ

アダム・S・ポーゼン ピーターソン国際経済研究所 所長

How Trump Is Repelling Foreign Investment
The Long-Term Costs of Economic Nationalism

Adam S. Posen
アメリカのエコノミストで、ピーターソン国際経済研究所所長。統一後のドイツ政府、日本政府、米議会予算局、イギリス政府の経済顧問を務め、2009―2012年にはイングランド銀行の金融政策委員会メンバーを務めた。専門は、マクロ経済政策、金融危機対策、ヨーロッパ、日本、アメリカ経済など。

2018年9月号掲載論文

対米投資が大きく減少している。米企業を含む多国籍企業による2018年の対米純投資はほぼゼロに落ち込んでいる。これは、長期におよぶビジネスコミットメントをする対象としてのアメリカの魅力が全般的に低下していること、つまり、すでに流れがポストアメリカのグローバル経済へ向かっていることを意味する。さらに、法人減税、他の地域よりも力強い経済成長という投資を促す環境が存在し、しかもワシントンが、米企業が外国へ投資するのを抑える公式・非公式のハードルを作り出しているにもかかわらず、今後、米多国籍企業による外国への投資が増えていくとすれば、これも世界がアメリカ抜きのグローバルシステムに向かいつつあることを示す明確なシグナルとみなせるはずだ。グローバル化を嫌悪するトランプのアプローチによって、多くの人々が考える以上の早いペースで世界経済はポストアメリカの時代に向かいつつある。

  • 脱アメリカへ
  • なぜ対米投資が減少しているのか
  • 自国を傷つけている
  • オートメーカーの未来

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