多様性を受け入れる秩序へ
―― リベラルな国際秩序という幻
The Myth of the Liberal Order
From Historical Accident to Conventional Wisdom
2018年8月号掲載論文
戦後のアメリカの世界関与を促したのは、自由を世界に拡大したい、あるいは国際秩序を構築したいという思いからではなく、国内でリベラルな民主主義を守るための必要性に駆られてのことだった。民主的な統治の価値を信じる現在のアメリカ人にとっての最大の課題も、まさに、国内で機能する民主主義を再建することに他ならない。必要なのは、アメリカは自らがイメージする通りに戦後世界を形作ったとする空想上の過去に戻ることではない。幸い、国内の民主主義を再建するために、中ロその他の国の人々にアメリカの自由主義思想を受け入れてもらう必要はないし、他国の政治制度を民主体制に変える必要もない。むしろ、1963年にケネディが語ったように、自由主義であれ、非自由主義であれ、「多様性を受け入れる」世界秩序を維持するだけで十分ではないか。
- 幻想の秩序?
- 概念上の混乱
- 冷戦秩序
- そして一極支配へ
- アメリカの衰退
- 重要な課題は国内にある
- 多様性を受け入れる世界秩序へ
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