東と西におけるポストリベラル思想
―― 宗教と国家の存在理由
Post-Liberalism, East and West: Islamism and the Liberal State
2018年7月号掲載論文
ポピュリズムが台頭する欧米では、アイデンティティや帰属に関する非自由主義的で排他的なエスノナショナリズムが復活している。いまや「純然たる(リベラルの)道徳的コンセンサス」を否定する批評家も多く、リベラリズムは「真の思想的代替策を拒絶する野心的なイデオロギーと化している」と批判されることもある。一方、中東では、民主化が模索された「アラブの春」以降、社会における宗教の役割、国家の本質についての力強い論争が起きた。そこで支持されたのはリベラリズムではなく、イスラム主義だった。そしていまや政治的イスラム主義と宗教的イスラム主義の対立が起きている。ポストリベラル思想として、中東では宗教的イスラムコミュニティが、欧米では目的共同体が注目され始めている。・・・
- リベラリズムの終えん
- リベラリズムとイスラム主義
- 欧米におけるポストリベラリズム
- 政治と宗教をめぐる同胞団の分裂
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