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誰が本当のアメリカ人なのか
――　移民と人種差別と政治的妄想

ジェームズ・Ａ・モローン　ブラウン大学教授（公共政策・政治学・都市研究）

Still Crazy after All These Years: America’s Long History of Political Delusion

James A. Morone　ブラウン大学教授（公共政策・政治学・都市研究）

2018年5月号掲載論文

白人が主流派だったアメリカという国の顔が変わりつつある。オバマほどこの変化を象徴する存在はないし、トランプほど、こうした変化に対する反動を象徴する存在もない。１日平均五つの嘘をつくトランプの登場は、アメリカ政治につきものの妄想だけでなく、この国の自画像が揺れ動いていることを示している。国家アイデンティティをめぐる厄介な対立を、もはや政治制度によって封じ込められなくなっている。実際、長い間、人種・民族問題を抑え込んできた政党政治が、逆に民族問題を煽りたててしまっている。しかも、国家アイデンティティをめぐる対立にこの国の妄想の歴史が重なり合ったために、アメリカはおかしくなってしまった。アメリカのアイデンティティが変わり続けている以上、政治が近い将来に冷静さを取り戻せるとは考えにくい。

  • 国家アイデンティティ危機
  • アメリカ政治と幻想
  • 小さな政府
  • 小さな政府と白人至上主義の融合
  • 移民と白人至上主義
  • 白人ナショナリズムの終わり

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2018年5月号に掲載

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