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朝鮮半島をめぐる米中の攻防
―― 金正恩の訪中を演出した中国の思惑

オリアナ・スカイラー・マストロ ジョージタウン大学外交大学院 アシスタント・プロフェッサー

What China Gained from Hosting Kim Jong Un An Edge over Washington, Not Friendship with Pyongyang

Oriana Skylar Mastro ジョージタウン大学外交大学院 アシスタント・プロフェッサー(安全保障研究)。専門は中国の軍事・安全保障政策。

2018年5月号掲載論文

金正恩を北京に迎えたとしても、北京が北朝鮮の生存を我が事のように心配しているわけではない。両国の「同盟」関係はいまも名目的なままだ。北京の目的は平壌との関係修復ではなく、アメリカの地域的影響力に対抗し、朝鮮半島への中国の影響力を強化することに他ならない。仮に北京が米朝交渉における仲介者の役割を担えば、朝鮮半島での影響力を譲るようにアメリカを説得しやすくなる。一方、有事となれば、北朝鮮の領土と核兵器の大半を管理下に置くために、中国は半島北部に大がかりな軍事介入を試みることもできる。北京が重視しているのは、戦争、外交のいずれのシナリオであっても、朝鮮半島における中国の利益を確保することにある。

  • 北京の思惑
  • 新しい環境と新戦略
  • 中国の目的は何か

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