政治的サイバー攻撃の次なるターゲット
―― 「コンプロマート」からヨーロッパを守るには
Europe in Russia’s Digital Cross Hairs ―― What’s Next for France and Germany and How to Deal With It
2017年2月号掲載論文
2016年の米大統領選挙へのロシアの介入は、明らかにドナルド・トランプを利することを目的にしていた。2017年、ともに選挙を控えている独仏は、アメリカのケースを検証し、周到な対策をとってロシアのデジタル攻撃に備えるべきだ。現状ではフランスもドイツもそうした攻撃への備えができていない。ロシアの「コンプロマート(不名誉な情報)」オペレーションは必ずしも特定候補に有利な環境を作り出すことが目的ではない。むしろ、選挙プロセスを混乱させ、民主的政府の名声を汚すことで、民主的な規範や制度への信頼を失墜させ、(欧米が批判してきた)ロシアの道徳的基準と欧米のそれが大差ないことを示すことが狙いだ。欧米は長期にわたってロシアを包囲し、その基盤を揺るがそうとしてきたとモスクワは考えており、彼らにしてみれば、欧米の民主的制度に対する攻撃はその報復なのだ。・・・
- 次のターゲットは欧州か
- コンプロマート
- いかにハッカーたちは情報にアクセスしたか
- ヨーロッパは何を学べるか
- モスクワに代価を支払わせる
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