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トランプ主義のグローバルなルーツ
―― ネオリベラリズムからネオナショナリズムへ

マーク・ブリス ブラウン大学教授(政治経済学)

Global Trumpism

Mark Blyth ブラウン大学教授(政治経済学)。

2016年12月号掲載論文

約30年前に欧米ではネオリベラリズム政策が導入され、経済政策の目標はそれまでの完全雇用から物価の安定へと見直された。生産性は上昇したが、収益はすべて資本側へと流れ込むようになった。労働組合は粉砕され、労働者が賃金引き上げを求める力も、それを抑え込む法律と生産のグローバル化によって抑えこまれた。だが、かつて完全雇用をターゲットにしてインフレが起きたように、物価の安定を政策ターゲットに据えたことで、今度はデフレがニューノーマルになってしまった。低金利の融資が提供された結果、危機を経たアメリカの家計債務は12兆2500億ドルにも達した。反インフレの秩序を設計した伝統的な中道左派と右派の政党は政治的に糾弾され、反債権者・親債務者連合が組織された。これを反乱的な左派・右派の政党が取り込んだ。これが現実に起きたことだ。・・・

  • 現象としてのトランプ主義
  • 台頭する「反乱的」政党
  • 完全雇用からネオリベラリズムへ
  • ネオリベラリズムの台頭と終焉

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