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逆転したトルコの政治構図
 ――民主化を促進するイスラム政党と反欧米へと向かう軍部

オメル・タスピナル ブルッキングズ研究所フェロー

The Old Turks' Revolt: When Radical Secularism Endangers Democracy

Omer Taspinar ナショナル・ワー・カレッジ国家安全保障戦略教授、ブルッキングズ研究所フェロー。本論文は著者の個人的な見解である。

2007年12月号掲載論文

イスラム系政党である公正発展党(AKP)の政治的台頭を前に、トルコのイスラム化への懸念をトルコの世俗派も欧米世界の一部もぬぐい去ることはできずにいる。だが、そうした懸念の多くは誤解に根ざしている。いまやAKPと軍の役割が入れ替わっている。実際には、AKPとその支持者が親欧米路線とグローバル化を支持するようになり、軍部とケマリストの指導者はより内向きとなり、欧州連合(EU)とアメリカへの反発を強めている。現在のトルコが直面している切実な国内問題とは、イスラム化ではなく、ヨーロッパとアメリカに対するナショナリズムからの反発が大きくなりつつあることだ。……トルコ国内の民主改革と欧米志向の外交政策を促進していくには、トルコの政治的現実からみて、AKP以外に支持すべき政治勢力は見あたらない。

  • 軍部による「eクーデター」
  • トップダウン式の西洋化とイスラムの伝統の相克
  • 軍と宗教と世俗主義
  • 冷戦と軍部の政治介入の歴史
  • AKPの台頭
  • 隠されたアジェンダ
  • 東か西か
  • 支持すべきは世俗派かイスラム勢力か

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