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中東の外交プレーヤー
としてのトルコに注目せよ
 ――クルド人問題と中東秩序の再編

F・スティーブン・ララビ ランド研究所ヨーロッパ安全保障問題担当議長

Turkey Rediscovers the Middle East

F. Stephen Larrabee ランド研究所ヨーロッパ安全保障問題担当議長。専門はNATO、東ヨーロッパ、トルコなど。

2007年11月号掲載論文

トルコはいまや中東における重要な外交プレーヤーとして台頭している。イランやシリアとの関係を修復し、パレスチナにも前向きなアプローチをとるようになり、広くアラブ世界との関係強化を試みている。こうした状況を前に、ワシントンには、トルコの外交政策が「イスラム化」していくのではないかと懸念する者もいる。だが、トルコが中東に積極的に関与し始めたのは、冷戦終結以降、トルコが外交路線を多様化させていることの結果である。現実には、トルコは、歴史的に自らがその一部だった地域を再発見しつつある。イラクのクルド地方政府とトルコの対立をどう解決して、イラクを安定化させ、トルコを中東への貴重な懸け橋の役目を果たしてくれるようにするか。ワシントンは、独立路線と自己主張を強めるトルコに圧力をかけるのではなく、そのようなトルコにうまく向きあっていくことを学んでいく必要がある。

  • トルコの中東シフト
  • 湾岸戦争、イラク戦争がトルコの情勢認識を変えた
  • クルド人問題
  • イラン、シリアとの関係改善と対米関係
  • 中東への積極的関与
  • 中東と欧米の間

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