CFRアップデート 中国・インド経済が直面する
社会格差という開発のジレンマ
――農村の貧困と格差社会への対応を
Inequalities in Asia's Giants
2007年11月号掲載論文
中国の富裕層の上位10%が民間資産の40%以上を保有し、インドにいたっては、富裕層の上位わずか36名が1910億ドルの資産を所有するという、極端な所得格差が両国で生じている。中国とインドは、所得格差に加えて、地域格差、産業間格差という問題も抱えている。経済成長からの恩恵を社会的に再配分するには、政府が、教育、医療、インフラ、開発への投資を増やす必要があるが、インドと中国の場合、こうした領域への投資が進んでいない。貧困に苦しむ農業部門を置き去りにするのではなく、中国とインド政府は、インフラ、医療、教育への投資をさらに強化する必要がある。経済・社会格差の増大は両国における貧困層の削減ペースが鈍化し、経済成長を持続させる基盤が政治的・社会的に脅かされていることを意味するのだから。
- 成長から取り残された人々
- 異なる成長モデルと同様のジレンマ
- 三つの格差
- 平等な社会の実現に向けて
- 農村の貧困
- 成長政策の見直しを
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