平壌への長い道のり
――戦略なき政策決定のケーススタディ
The Long Road to Pyongyang
2007年9月号掲載論文
北朝鮮への路線をめぐるブッシュ政権の戦略的混迷は、主要な政策決定者が、戦略ではなく、原則でものを考えがちだったことの帰結だし、そうした原則重視路線こそ、ブッシュ政権の特徴である。高官の多くが、戦略ではなく、道義的な考慮を基盤に政策を決定してきた。入念に検討した目的を実現するための戦略志向を重視するのではなく、「北朝鮮が邪悪な政権によって率いられている以上、アメリカはX、あるいはYをしなければならない」と考えてきた。こうした意思決定プロセスには、指導者のパーソナリティーが大いに関係している。よく言われることだが、外交政策をめぐる政策決定者は、ただ一人、大統領しかいない。北朝鮮のケースは、その具体例だ。ブッシュ大統領が政策決定に関与したケースでは、彼が好ましいと思う路線、直感、反応がそのプロセスを支配した。結局、政策決定プロセスの全体が、大統領の意向に左右された。こうしたやり方が機会をつくりだすこともあるが、非常に大きなリスクを伴うこともある。
- 戦略的混乱
- 政策決定プロセスの混迷はなぜ起きたか
- 強硬派対穏健派
- 「大胆なアプローチ」をめぐる混乱
- ウラン濃縮疑惑と強硬派の台頭
- 6者協議
- 関与路線への復帰とライス・ヒルチームの誕生
- 戦略なくして、解決はあり得ない
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