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グローバル化を救うニューディール政策を
――繁栄を維持し、格差を是正する処方箋とは

ケネス・F・シーブ イエール大学教授
マシュー・J・スローター 米外交問題評議会 非常勤シニア・フェロー

A New Deal for Globalization

Kenneth F. Scheve イエール大学の政治学教授。専門は比較国際政治経済学、比較政治行動学など。マシュー・J・スローターとの共著に"Globalization and the Perceptions of American Workers"がある。
Matthew J. Slaughter ダートマス大学経営大学院タック・スクールの経済学教授で、米外交問題評議会(CFR)のビジネス・グローバル化担当非常勤シニア・フェロー。2005年から2007年まで経済諮問委員会(CEA)のメンバーを務める。

2007年8月号掲載論文

アメリカで保護主義が台頭してきているのは、多くの人々の賃金レベルが停滞するか、低下しているために、人々が保護主義志向を強めているからにほかならない。世界経済への統合は、アメリカと多くの諸国の生産性を大いに強化し、富の形成に寄与した。しかし、多くの国、そしてアメリカの社会の一部でも、こうした統合がもたらす利益がうまく再分配されていない。このためにますます多くの人々が、「グローバル化は自分にとって良いことか」と考え込み、「そうではない」という結論を下しつつある。グローバル化の進展をその反動から守るには、一人でも多くの勤労者にグローバル化の恩恵を行き渡らせるのが最善の方法であり、その手段が、現代版ニューディール政策だ。

  • 賃金レベルの停滞と保護主義の台頭
  • なぜ保護主義が台頭しているのか
  • 所得格差の増大と保護主義の台頭
  • 不適切な調整
  • グローバル化と所得再分配
  • グローバル化を救うには

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