FreshStock/shutterstock.com

CFRインタビュー
イランの強大化を抑え込みたいサウジの思惑
 ――中東和平、イラク安定化の鍵を握るリヤドの計算とは

グレゴリー・ゴース バーモント大学政治学助教授

U.S. Trying to Soften Saudi Hard Line toward Maliki Government

F. Gregory Gause III 米外交問題評議会(CFR)フェロー、コロンビア大学助教授を経て、現在はバーモント大学の政治学助教授。同大学中東研究プログラムのディレクターも兼務。専門はサウジアラビア、ペルシャ湾岸を中心とする中東の政治と外交。

2007年8月号掲載論文

アメリカはアラブ世界、特にスンニ派の指導国であるサウジアラビアが、イラクのスンニ派の政治指導者に国民和解政府の樹立に向けて努力するように働きかけることを望んでいる。だが、イランの強大化を懸念するサウジは全く逆の路線をとっている。サウジアラビア政治の専門家であるグレゴリー・ゴースは、「マリキ政権がイランの傀儡政権である以上、マリキ政権を支援すれば、イランの影響力拡大を抑え込むという目的からの逸脱になる、とリヤドでは考えられている」と指摘する。イランの強大化を抑え込むという目的は共有しつつも、アメリカとサウジは全く逆のアプローチをとっていることになる。そこに、イランの強大化を抑え込むことを最優先するサウジと、イランの強大化を懸念しつつも、イラクの安定化を重視するアメリカとの間に温度差があるからだ。アメリカはアラブ諸国への武器売却を決定し、秋の中東和平会議を成功させたいと考えているが、サウジは、すべての流れを対イランの構図で捉えている。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

  • サウジの路線変更を促した「イラク研究リポート」
  • アメリカのサウジへの武器売却決定の真意は
  • 「スンニ派アラブ」対「シーア派イラン」の構図
  • 中東和平をめぐるサウジの立場

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2007 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top