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CFRインタビュー
中東和平交渉を成功させるための条件とは

デニス・B・ロス 近東政策ワシントン研究所フェロー

Bush's Mideast Peace Conference Needs Proper Planning for Success

Dennis B. Ross ジョージ・H・W・ブッシュ政権で米国務省政策企画部長、クリントン政権で中東問題担当特別調整官を務め、現在は近東政策ワシントン研究所のフェロー。イスラエル・パレスチナ間の暫定合意、ヘブロン合意など、数多くの中央和平構想をとりまとめたアメリカ側のキーパーソンとして知られる。

2007年7月号掲載論文

ブッシュ大統領が提案した「中東和平に関する国際会議」を成功させるにはパレスチナ自治政府の内部改革と国際交渉をセットにする必要がある。しかし、パレスチナはガザと西岸に分裂し、それぞれの地域をハマスとファタハが管理しており、こうした対立状況をデニス・ロスは「パレスチナの民族主義運動をイスラム主義運動に置き換えようとする勢力=ハマス」と「民族主義運動としての路線を貫こうとする勢力=ファタハ」間のアイデンティティー抗争とみる。いまやファタハはハマスへの反発一色に染まっており、両勢力が交渉で問題解決を図るのは難しい情勢にある。イスラエルとの対立がイスラムとの宗教紛争という構図に持ち込まれれば、解決の見込みはなくなる。したがって、パレスチナ民衆のファタハ指導者や自治政府への信頼を回復するのに不可欠な内的改革を実行させ、ブッシュ大統領が表明した国際会議の開催とこうした自治政府の改革をセットにして、パレスチナの和解、そして中東和平への環境をまとめていく必要がある、とロスは分析する。また、サウジ抜きでの会議では意味がなく、結果を手にするにはアラブ諸国との入念な事前交渉が必要になると強調した。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

  • ハマスとファタハの分裂の意味
  • 会議に向けた事前交渉を
  • 誰を和平会議に招待するのか
  • ファタハとハマスの和解は短期的には望めない
  • 会議成功の鍵を握るサウジ

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