グローバル化に対する 反動にどう対処する
Has Globalization Passed Its Peak?
2007年3月号掲載論文
いまや、資本、商品、労働力の国境を超えた自由な移動を意味するグローバル化の流れが今後も続いていくと楽観できる状況ではなくなってきた。最大の懸念材料は、市民のグローバル化への猜疑心が高まり、グローバル化が国家間、国内の双方で格差を助長していることへの人々の不満が増大し、状況への反発として各国で保護主義が台頭しつつあることだ。技術革新領域についてはグローバル化の流れがよどむことは今後もあり得ないが、ドーハ・ラウンドの決裂からも明らかなように市場開放の流れはよどみ始めているし、2国間合意の増大によって国際的な貿易ルールも損なわれ、グローバル化を支える制度そのものが形骸化しつつある。各国が状況にどのように対応するかで、グローバル化の今後は左右される。
- よどみだしたグローバル化潮流
- グローバル化への二つの道筋
- ドーハ・ラウンドの決裂と人の移動への規制
- 米中で台頭する保護主義
- 石油市場をめぐる変化
- グローバル化の失速を防ぐには
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