CFRブリーフィング
米ロは衝突コースにあるのか?
U.S.-Russia Interests on Collision Course
2007年2月号掲載論文
プーチン大統領率いるロシアとアメリカは、これまでも協調と対立を繰り返す微妙な関係にあったが、ここにきて、双方は相手を明確に批判するようになった。アメリカの弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの離脱、北大西洋条約機構(NATO)の拡大、かつてロシアの勢力圏だった旧ソビエト諸国における民主化運動への欧米の支援などをめぐって、米ロはこれまでもことあるごとに対立してきたが、それでも大きな対立局面にいたることはなかった。だが、プーチンは、最近ドイツのミュンヘンで開かれた国際安全保障をめぐる国際会議で、「アメリカは単極世界の構築を試み、核の軍拡レースを復活させ、国際的紛争の解決に無節操に武力を用いている」とワシントンを痛烈に批判し、これに対してロバート・ゲーツ国防長官は、「ロシアの批判を聞くと、まるでわれわれが冷戦時代にあるかのような錯覚に陥る」とコメントしている。米ロはこのまま衝突コースを歩み、世界は再び米ロの対立を軸に切り分けられることになるのか。それとも……。
- ロシアの欧米に対する不安
- 軍拡レース時代の再来か
- ロシアの強硬策と同盟関係の再編
- ロシアとイランの関係
- 近隣国の民主化とロシアの危機感
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