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ドル高の悪夢から逃れるには
―― 準備通貨を多様化すべき理由

バリー・アイケングリーン カリフォルニア大学バークレー校 特別教授(経済学・政治学)

The Dangers of a Strong Dollar: Why Countries Should Diversify Their Reserve Currencies

Barry Eichengreen アメリカのエコノミスト。カリフォルニア大学バークレー校 特別教授(経済学・政治学)。フォーリン・アフェアーズでは、国際通貨システムの未来―― 再現されるのは1930年代か1970年代か(FAR2012年2月号)、脅かされる基軸準備通貨、ドルのジレンマ―― ユーロ、SDR、人民元の台頭(FAR2010年9月号)などを発表している。

2022年12月号掲載論文

ドル高が進むと、中・低所得国のドル建て債務の重荷が増し、持続可能性が脅かされる。原材料価格もドル建てであるため、対ドルで通貨安になると資源輸入国のコストや物価が上昇し、この流れがインフレを誘発する。こうして、ドル高になると多くの国の中央銀行は為替市場に介入し、外貨準備を用いて自国通貨を買い支えようとする。だが売却された米国債の多くは、米金融市場に流れ込み、結局はドル高になる。長期的には、各国の中央銀行が外貨準備を多様化し、ドルからユーロ圏や中国あるいはより小規模な国の通貨へと取引を多様化することが解決策になる。そうすれば、各国は連邦準備制度理事会(FRB)という一国の中央銀行の決定に左右されにくくなる。

  • ドルとポンド
  • ドル高の悪夢

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