欧米主導の戦後秩序そしてポスト冷戦秩序にロシアと中国が反発する時代を経て、いまやロシアはウクライナを侵略して勢力圏の形成を試み、中国も台湾を統合して大陸に取り込む姿勢を明らかにしている。戦後秩序が崩壊するなかで、経済を含む、様々な地政学的動きが具体化しつつある。プーチンの帝国的野望はどこまで広がるのか、北京にとって好ましい国際秩序とは何なのか。そして中露同盟は反米パートナーシップを超えて拡大していくのか。多極世界のなかで、欧米と中露の対立はいかなる流れを作り出していくのか。
第一章 ポスト「欧米秩序」の模索
・プーチンとロシア帝国
―― なぜ帝国的独裁者を目指すのか
スーザン・B・グラッサー
・中国が望む世界
―― そのパワーと野心を検証する
ラナ・ミッター
・グローバルな大国間協調の組織化を
―― 多極世界を安定させるために
リチャード・N・ハース、チャールズ・A・クプチャン
第二章 ロシアとウクライナ戦争
・プーチン・ドクトリンの目的
―― 勢力圏の確立とポスト冷戦秩序の解体
アンジェラ・ステント
・プーチンの歴史との闘い
―― ウクライナをめぐる葛藤
アナ・レイド
・戦争をいかに終結させるか
―― 成功の定義、キーウが求める条件とは
リチャード・ハース
・プーチンは政治的に敗北する
―― ロシア社会の不安定化に備えよ
アンダース・アスルンド
第三章 中国と台湾
・中台関係の新たな緊張
―― 北京が強硬策をとる理由
マイケル・マッザ
・中国の台湾侵攻は近い
―― 現実味を帯びてきた武力行使リスク
オリアナ・スカイラー・マストロ
・北朝鮮危機と台湾有事
―― 半島危機と台湾有事のリンケージ
ソンミン・チョ、オリアナ・スカイラー・マストロ
・台湾有事と日米同盟
―― 事前協議で解決しておくべき課題
デビッド・サックス
第四章 中ロと欧米の未来
・中ロの行動をいかに抑えるか
―― 国際システムとアウトサイダー
ステーシー・E・ゴダード
・中ロパートナーシップの高まる脅威
―― 手遅れになる前に行動を起こせ
アンドレア・ケンドール=テイラー、デビッド・シュルマン
・そして「欧米と中露」の対立へ
―― 現状を規定する歴史の源流とは
スティーブン・コトキン
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