きっかけはウクライナの政変とロシアの介入だった。ロシアがクリミアを編入し、ウクライナ東部の紛争に介入すると、冷戦後の秩序を揺るがす大きな地政学のうねりが生じた。アメリカのリーダーシップの衰退、ウクライナやロシアを含む、各国における社会不満の増大がこの流れを加速した。今後、注目すべきは米ロ対立や中ロの接近がどう展開するかだけではない。米独関係を中心にアメリカとヨーロッパの関係が不安定になっていく恐れもある。しかも、ヨーロッパは経済的にも政治的にも危険水域へと突入しつつある。中東でもイスラム国の台頭によって秩序の流動化が加速している。中東での宗派間構想の構図は固定化されつつあり、すでにイラクとシリアは破綻途上国家と化している。一方、アジアでも中国における社会不満が、今後、何をどう変えていくか、その途上で地域的に何が起きるかが問われている。・・・
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