気がつけば世界経済の運転席に誰もいない。2008-2009年の金融危機以降、様々な国際問題が噴出し、経済不安が高まっているにも関わらず、各国の政策担当者は自国の経済と雇用問題に対応するので手一杯で、いまやグローバル経済はゼロサム化しつつある。しかも、巨大な債務と財政赤字を抱える先進民主主義国家では、市場を意識した合理的で長期的な経済政策への政治的支持が得られなくなっている。根底にあるのは、グローバル化が「有権者が政府に対して望むものと」と「政府が提供できるもの」の間のギャップをますます広げ、日本を含む先進民主国家政府が人々の要望に応えられなくなっていることだ。2012年の世界は1930年代のような通貨切り下げ競争と保護主義の台頭に覆い尽くされるのか。欧米経済が衰退するなか、中国が世界経済の牽引役を担い、経済覇権の交代がおきるのか、それとも・・・・
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Vol.35 フォーリン・アフェアーズ傑作選2011~2012 先進民主国家の停滞とGゼロの世界 ――民主主義ではもう市場経済の問題を解決できない?