3.11は日本の何を変え、何を変えなかったのか。高齢社会と社会保障の財源不足、債務、財政赤字という大きな問題はいまもそこに存在する。変化したのは、原発危機によってエネルギー供給の先行きが不透明化し、産業の空洞化が進み、観光産業の促進も専門職の外国人の招致も難しくなっていることだ。過去のやり方ではもはや未来は切り開けない。だからこそ、復興プロジェクトを新しい日本の将来に向けた土台を築くための触媒にしなければならない。電力不足を将来のクリーンエネルギー大国の布石にし、債務と赤字を削減するような経済成長路線へと向かわせるには、現状を的確に把握した上での大胆な戦略が必要になる。
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